青菜の茹で方を紹介します。
ほうれん草や小松菜などの青菜は、たっぷりの水で蓋をせずに茹でるのがセオリーです。また、0.5~1%の食塩を加えることと、茹で上ったらただちに冷水にとることも大切なポイントになります。
茹で時間に関しては、食材の状態から判断して30秒~2分くらいが目安になります。
青菜の茹で方は?
青菜の茹で方です。
青菜は、たっぷりの水で蓋をせずに茹でます。ブロッコリーなどは水に取りませんが、多くの青菜には「あくが強い」「火が入りやすい」という特徴がありますので、冷水にとることがポイントになります。
ちょっとした違いですが、料理の味には大きな違いとなって表れます。
青菜をきれいに洗います。根元の部分には土がついていますので、水を変えながら念入りに洗うことがポイントになります。また、青菜の株元を整えて水揚げさせておくことにより食感が良くなりますので、萎れかけている青菜には必須作業となります。
たっぷりの水を沸かしておきます。水が少なすぎると温度が低下してしまうために「食感が悪くなる」「甘味や栄養素が抜けてしまう」などのデメリットが生じやすくなります。食塩に関しては意見の分かれるところですが、水に対して0.5~1%ほどの食塩(水1Lに対して小さじ1~2の食塩)を加えておきます。
青菜は、蓋をせずに30秒~2分ほど茹でます。青菜の多くには“あく“が含まれています。あくの多くは揮発性ですので、蓋をせずに茹でることにより有機酸のあく(酢酸やシュウ酸など)を減らすことにもつながります。
青菜は、茹で上がったら冷水にとります。冷水にとることで「熱が入りすぎることによる食感の悪化」や「葉緑素の変色(クロロフィル→フェオフィチン)」を防げることに加え、水に溶けだした“あく“を洗い流せることになります。
以上が青菜の茹で方です。
青菜には、多くの種類があります。また、同じ種類や品種であっても季節な栽培方法などにより異なる特徴を有することがありますので、茹で時間に関しては“30秒~2分”という大きな幅を持たせています。
基本的には、「少し茹で足りないかな?」くらいで様子を見てみることをおすすめします。
青菜がしなっとしている場合には、水あげさせてから茹でるようにします。しなっとしたまま茹でてしまうと、火の通りが悪くなるために食感が損なわれてしまいます。やり方としては、切り花の水あげのように”根元を切って水に浸けておく”ことでシャキッとした状態に戻ります。
塩を加える効果は?
塩に関しては、意見が分かれます。
たとえば、塩には「水の沸点が上がる」「色止めになる」「下味がつく」などの効果が望めますが、沸点や色止めに関しては「0.5~1%ほどの塩分では意味がない」と考えるのが現実的です。(※これらの効果を得るためには6%ほどの塩分濃度が必要です)
しかし、下味に関しては効果があります。
食材は、微量の塩分によって“味が引き立つ”ようになります。塩を加えて茹でられた青菜は0.2%ほどの塩分を含むようになります。このくらいの塩味は、食材の味を引き立てるような働きをします。
実際に試してみると、はっきりとした違いを感じられるはずです。
あくの強い青菜には?
青菜には、あくの強いものがあります。
たとえば、ほうれん草を食べた時に感じることのある“えぐみ”は、シュウ酸がカルシウムと結合して“シュウ酸カルシウム”になることにより起こります。正しく茹でれば7割ほどを取り除けますが、間違った茹で方をすると口いっぱいにえぐみが広がることになります。
これを防ぐには、いくつかのポイントがあります。
ポイント | 目的 |
---|---|
たっぷりの水で茹でる | あくを溶出させる |
蓋をせずに茹でる | あくを揮発させる |
茹で上がったら水に取る | あくを洗い流す |
粗塩を加えて茹でる | マグネシウムと結合させる |
茹で方のポイントには、理屈があります。
水に加える食塩は、必ず“粗塩”を使ってください。粗塩にはマグネシウムなどの“にがり”が含まれています。マグネシウムはシュウ酸と結合することにより不溶性のシュウ酸マグネシウムになりますので、えぐみの原因となるシュウ酸カルシウムができにくくなります。
にがりを添加した方が確実ですが、粗塩にも効果はあります。
【まとめ】青菜の茹で方は?
ほうれん草や小松菜などの青菜は、たっぷりの水で蓋をせずに茹でることがポイントになります。その際、0.5~1%ほどの粗塩を加えておくことにより、青菜の味が引き立つ、あく(えぐみ)が減少するなどの効果を得られます。また、あくの少ない野菜はざるに上げて水をきりますが、青菜の多くは水に取ることがポイントになります。