カリタナイスカットGはエスプレッソマシンにも使える? 極細挽きとの違いについて

ナイスカットGはエスプレッソマシンにも使える?

ナイスカットGはエスプレッソマシンには使えません。

エスプレッソマシンには極細挽き(エスプレッソ挽き)にする必要がありますので、ナイスカットGの最小粒度である細挽きでは粗すぎます。一見して問題なく抽出できているようにも見えますが、実態はお世辞にも良いものではありません。

エスプレッソマシンに使用することはおすすめしません。(※画像はナイスカットGで挽いた粉をデロンギEC200Nで抽出しています)

カリタ「ナイスカットG」のスペックは?

カリタ「ナイスカットG」のスペックは?

ナイスカットGの最小挽目は、細挽きです。

エスプレッソを抽出するためには“極細挽き”にする必要がありますので、ナイスカットGは「エスプレッソマシンには非対応」ということになります。事実、取扱説明書には「目盛1(細挽き)」という記載があります。

以下の対応表は、取扱説明書からの抜粋です。

使用器具調整目盛
カリタ式
ペーパー式
コーヒーメーカー
3.5(中挽き)
サイフォン1(細挽き)
パーコレーター6(粗挽き)

一見すると問題なく抽出できているように見えなくもありません。

しかし、ナイスカットGの最小メモリで挽いた粉をエスプレッソマシンで抽出すると“クレマの安定しないエスプレッソ”になります。これは、二酸化炭素は抽出されるものの界面活性物質(複数の高分子群)の抽出が不十分であるためです。

そのためクレマの消えやすいエスプレッソが抽出されます。

メッシュ(挽目)の調整をしてもダメか?

メッシュ(挽目)の調整をしてもダメか?

このタイプのミルは挽目の調整ができます。

調整ダイヤルを外すとノッチプレートがあり、このプレートを回転させることによってカッターの隙間を微調整できます。この調整により多少は細かくできる可能性もありますが、基本設計以上の性能を引き出すことはできません。

ナイスカットGでエスプレッソ挽きにすることはできません。

MEMO
見た目だけであればエスプレッソらしきものを抽出することは可能です。しかし、前述したとおりクレマの安定しないエスプレッソになりますし、味の面でも極細挽きで抽出した時のような洗練された抽出にはなりません。

直火式エスプレッソマシンの場合は?

直火式エスプレッソマシンの場合は?

マキネッタには、細挽きが適しています。

エスプレッソマシンと同じ粒度にしてしまうと、苦味や雑味が強く抽出されてしまいます。また、目詰まりを起こして「抽出に時間がかかりすぎてしまう」「安全弁を作動させてしまう」などのリスクもあります。

そのため、ナイスカットGであれば目盛1~2に調節します。

器具抽出圧力粒度
エスプレッソマシン約9気圧極細挽き
マキネッタ約2気圧細挽き

マキネッタとエスプレッソマシンは、全くの別物です。

抽出温度、抽出時間、粒度、抽出圧力には大きな違いがありますので、エスプレッソには極細挽き(上白糖くらいの粒度)、マキネッタには細挽き(グラニュー糖くらいの粒度)にするのがセオリーとなっています。

また、ミルにも個体差がありますので微調整は必要です。

【まとめ】ナイスカットGはエスプレッソに使える?

ナイスカットGはエスプレッソマシンには使えません。一見すると抽出できているように見えるかもしれませんが、クレマを安定させる界面活性物質(複数の高分子群)の抽出が不十分なものになりますのでクレマの消えやすいエスプレッソになってしまいます。また、当然ですが味の面でも物足りないものになります。エスプレッソマシンにはエスプレッソ挽き対応のミルの購入をおすすめします。

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