料理酒を未成年が買える理由は? 加塩による不可飲処置について

料理酒を未成年が買える理由は?

料理酒には、未成年者が買えるものと買えないものがあります。

日本料理における料理酒とは、基本的には日本酒(清酒)です。当然、未成年者が購入することはできません。しかし、不可飲処置(食塩添加)が施されている料理酒は“食品”として扱われるために年齢確認が不要になります。

そのため、未成年者であっても加塩料理酒であれば問題なく購入できます。

料理酒の分類とは?

料理酒の分類とは?

料理酒には、大きく2種類があります。

それが、酒類に分類されている「料理用清酒(無加塩料理酒)」と、食品に分類されている「料理用清酒(加塩料理酒)」です。いずれの料理酒にも14%前後のアルコールが含まれていますが、食塩添加の有無により酒類と食品に分けられています。

以下のようなイメージです。

分類種類
酒類(嗜好品)特定名称酒(純米酒や本醸造酒など)
非特定名称酒(普通酒)
料理用清酒(無加塩料理酒)
食品(調味料)料理用清酒(加塩料理酒)

基本的には料理酒をおすすめします。

料理酒として清酒(日本酒)を使うことも可能ですが、極端に安いものと高いものはお勧めしません。安すぎる酒は合成清酒であるために香りやうま味が貧弱ですし、高い酒は香りが強すぎるために料理の味を邪魔してしまいます。

清酒を料理酒として使う場合には、普通酒がおすすめです。

特に注意してほしいのが、極端に安い料理酒です。安い料理酒は合成清酒を不可飲処置したもの(醸造アルコールに醸造調味料や水あめなどを加えて作られた清酒に食塩を添加したもの)ですので、料理はおいしくなりません。

購入してしまった場合には、魚介類の洗浄などに使用してください。

MEMO
料理酒を選ぶポイントは、成分表示です。原料を確認して「米、米こうじ、(醸造アルコール)、(食塩)など」のように米や米こうじが先に表記されているものを選びます。原料に「醸造アルコール、醸造調味料、水あめ、酒精、酸味料など」のような表記である料理酒はおすすめしません。

一部の料理酒が食品に分類される理由?

料理酒が食品に分類される理由?

料理酒には、食品に分類されるものがあります。

料理酒には14%前後のアルコールが含まれていますが、不可飲処置をすることにより食品として扱えるようになります。不可飲処置の多くは食塩添加であり、アルコールが含まれていても「飲めなければ酒類じゃないよね?」と判断されるわけです。

そのため、酒税がかからずに安価に購入することができますし、販売店にとっては酒類販売免許がなくても販売することができるということになります。

未成年や小さな商店にとっては都合の良い仕組みです。

参考 第43条 みなし製造国税庁
MEMO
みりんも同じ仕組みになります。しかし、みりんには「本みりん」「発酵調味料」「みりん風調味料」の3種類があり、みりん風調味料は本みりんとはかけ離れたものになりますのでおすすめはしません。

加塩料理酒の注意点は?

加塩料理酒は、食塩が邪魔になることがあります。

当然ですが、料理酒に含まれている塩分量を調味料から差し引かなければいけません。また、食塩は分子量の小さな調味料ですので、加塩料理酒を調理の前半に加えてしまうと甘味やうま味などが食材に入りにくくなります。

味をしみこませたい料理には注意が必要です。

繰り返しになりますが、安すぎる料理酒はNGです。料理酒には「芳醇な香り」や「うま味が増す」などの効果がありますが、醸造アルコールに醸造調味料や水あめなどを加えて作られた料理酒ではそれらの効果は得られません。

多少高くなったとしても、調味料は少しだけ良いものを選ぶことがポイントになります。

【まとめ】料理酒を未成年が買える理由は?

料理酒には未成年者が買えるものと買えないものがあります。未成年者が購入できる料理酒は、不可飲処置(食塩添加など)が施されている料理酒です。不可飲処置(2~3%の食塩添加)された料理酒は食品として扱われるようになるために年齢確認なしで購入できるような仕組みになっています。

2 COMMENTS

kamosu

みりんには、大きく4種類があります。本みりんと本なおしは、醸造アルコールにもち米と米麹を加えて作られているために酒類として扱われます。しかし、発酵調味料(食塩添加)とみりん風調味料(ノンアルコール)は食品として扱われます。よって、年齢確認が出るということは”本物のみりん”であるということでもあります。

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