白味噌の作り方を紹介します。
白味噌は、分解型味噌です。一般的な味噌(赤味噌)が発酵型味噌であるのとは違い、白味噌は「麹菌由来の酵素による原料の分解反応を熟成の主としている」ことからも分解型味噌と呼ばれています。
極端な話、麹甘酒などと同じ仕組みです。
そのため2週間ほどの常温熟成で食べられるようになりますし、ヨーグルトメーカーなどを使って早期熟成させれば8~12時間ほどで食べられるようになります。
白味噌の材料は?
白味噌の材料は、赤味噌(一般的な発酵型味噌)と同じです。
しかし、短期間のうちに麹菌由来の酵素による分解反応を進めなければいけませんので、発酵型味噌よりも「麹の割合が多い」「食塩の割合が少ない」という特徴を持つことになります。
また、西京味噌風の白味噌にしたい場合には「大豆の皮を取り除く」「米麹を砕く」「熟成後に裏ごしをする」などの工程が加わることになります。
材料 | 分量 |
---|---|
大豆 | 100g |
乾燥麹 | 200g |
食塩 | 30g |
乾燥麹を使ったレシピになります。
一般的には力価(酵素活性)の高い生麹が好まれていますが、当ブログでは麹の扱いやすさを重視して乾燥麹を好んでいます。生麹を使う場合には煮汁を加える量を減らして耳たぶくらいの固さになるように調節していきます。
また、生麹の場合はすぐに使い切れる量を購入してください。
白味噌の作り方は?
白味噌の作り方は、普通の味噌と同じです。
白味噌は“麹歩合が高く塩分濃度の低い味噌”ですので、基本的な作り方は一般的な米味噌(赤味噌や辛味噌など)と同じになります。今回は仕上げの工程にて“裏ごし”をしていますが、スルーしても問題はありません。
白味噌づくりのポイントは、とにかく清潔を意識することだけです。
大豆を良く洗い、4倍量の水で一晩ほど浸水させます。厚手の鍋に移し、あくを取りながら弱火で3~4時間ほど(親指と薬指で簡単に潰せるようになるくらいまで)茹でます。途中、茹で湯が足りなくなってきたら水(またはお湯)を足してください。
茹で上がった大豆はざるに上げ、大豆と煮汁に分けます。大豆は2.3~2.5倍ほどになっているはずです(※国産大豆は2.3倍ほど、輸入大豆は2.5倍ほどになります)。大豆に煮汁を加えて総重量が2.5倍(乾燥大豆100g→茹で大豆+煮汁=250g)になるように調節します。
大豆を茹でている間に乾燥麹をほぐして塩と合わせておきます。生麹の場合は塩をもみ込んで“塩切り麹”にしますが、乾燥麹の場合は塩と合わせるだけでも大丈夫です。(※生麹を塩切り麹にするのは麹菌の働きを止めて劣化を防ぐためです)
大豆が熱いうちに潰します。潰す方法には「ミンサー」「フードプロセッサー」「ハンドブレンダー」「ビニール袋に詰めて麺棒で押しつぶす」などがあります。やりやすさは用意できる道具や分量によっても変わってきますので、適切な方法で潰しておきます。(※画像はハンドブレンダーです)
潰した大豆が60℃以下になっていることを確認してから、塩を合わせた麹を目是合わせていきます。大豆が60℃以上のままだと麹に含まれる酵素が失活してしまいますので注意してください。また、混ぜムラがあると塩分濃度の低い部分から腐敗してしまう恐れがあります。
清潔な保存容器に移して空気を遮断します。空気に触れている部分があると産膜酵母やカビのリスクが高くなります。具体的には、保存容器に詰めてから落としラップをする、ジップロックなどに入れて空気を抜くなどの方法がおすすめです。
冷暗所で2週間ほど熟成させます。常温熟成が基本となりますが、白味噌は本来11月下旬から12月上旬に仕込まれる味噌ですので、室温の高い季節には注意が必要です。25℃を超えてしまう季節であれば野菜室(もしくはヨーグルトメーカー)などで熟成させることをおすすめします。熟成後は冷蔵庫管理で半年以上は日持ちします。
裏ごしすると市販の白味噌のような食感になります。白味噌の作り方には地域差がありますが、西京味噌のように滑らかな食感にしたい場合には裏ごしすることをおすすめします。本格的につくる場合には大豆の皮を取り除いたりもしますが、今回はそのままの大豆で仕込んでいます。
白味噌は、塩分濃度の低い甘味噌です。
塩分濃度の低さ故、腐敗菌の侵入には注視しなければいけません。たとえば、手荒れや手の傷がある場合にはビニール手袋をつけて作業してください。傷口にはブドウ球菌などが付着していますので、白味噌を腐敗させやすくなります。
白味噌づくりは、普通の味噌以上に清潔である必要があります。
【まとめ】白味噌の作り方は?
白味噌は、短期間で作ることのできる分解型味噌です。微生物の関与が少ないことからもシンプルな味の味噌になりますが、雑味の少ない澄んだ甘みやうま味を好む人も少なくありません。また、本格的な京風白味噌にしたい場合は「大豆の皮を取り除く」「煮大豆と米麹を細かくなるまでつぶす」「熟成後に裏ごしする」などの工程が加わることになります。