砥石には、定期的な修正が必要です。
包丁を研ぐ頻度は人それぞれですが、包丁を研がなければいけないことには違いありません。そして、砥石は使用するたびに徐々にすり減って歪んでいきますので、定期的な修正砥石での面直しが必要になってきます。
面直しを怠っていると、角度が安定せずに上手に研げなくなります。
砥石の面直し方法は?
砥石の面直し方法を紹介します。
砥石の面直しには、“修正砥石(面直し用砥石)”をあてます。軽度の歪みであれば数回こするだけでも修正できますが、大きくゆがんでいる場合には金剛砂(研磨粉)をふりかけて研磨力を大きくします。
修正砥石の代わりにダイヤモンド砥石を使うこともあります。
鉛筆などを使って、格子状の線を引きます。線を引いておくことにより“修正具合”を確認することができます。線の間隔は大体でOKです。
砥石と修正砥石を泡が出なくなるまで(5~10分ほど)水に浸けておきます。(※水に浸けなくてもよい砥石もありますので取扱説明書を確認してください)
砥石の面が大きく歪んでいる場合(長く面直ししてこなかった場合)には、修正する面に金剛砂を振りかけます。少量でも格段に速く削れるようになります。
修正砥石をあてて歪みを直していきます。①で引いた格子状の線が消えるまで研削していきますが、途中で水分が足りなくなった場合には水を足しながら作業します。修正後の砥石は角が鋭利になりますので面取りしておくこともあります。
以上が砥石の面直し方法です。
砥石は種類により扱いが変わることがあります。そのため、基本的には砥石や修正砥石の取扱説明書の指示に従うことをお勧めします。
砥石を面直しする頻度は?
基本的には、使うたびに面直しします。
刃物に刃をつける作業は、想像以上に砥石の精度に影響を受けます。目視で砥石の歪みが確認できるようでは確実にNGであり、軽度の歪みであっても使うたびに修正するのが理想的だと考えられています。
このことからも、使用前の面直しが推奨されています。
しかし、(ここからは個人的な見解になりますが)そこまでシビアに考える必要はないと考えています。一般家庭での包丁の使用頻度を考慮すると、頻繁に研いでいる場合には使用のたびに修正砥石をあてる必要はありません。
もちろん、使用のたびに修正するのが理想ではありますが、2~3回に1回くらいの頻度で修正しておけば不満を感じることはないかと思います。
修正砥石と砥石は水に浸す?
砥石と修正砥石は水に浸してから使います。
これは、砥石と修正砥石が吸水するためであり、水に浸けずに使い始めるとすぐに目詰まりをしてしまってうまく研ぐことができなくなります。そのため、砥石は気泡が出なくなるまで水に浸けておき、水を足しながら研いでいきます。
もちろん、砥糞(とぐそ)を残しながら研ぎます。
しかし、天然砥石や粒子の細かな仕上げ砥石などはほとんど吸水しないために水に浸けておく必要はありませんし、人工砥石であっても水に浸けておくことで柔らかくなってしまうものなどもあります。
基本的には、取扱説明書の指示に従うことをおすすめします。
金剛砂の使い方は?
金剛砂は、研磨剤です。
定期的に面直しをしている場合には必須ではありませんが、面直しを怠って砥石の歪み(凹み)が大きくなってしまった場合には必要です。また、通常の面直しであっても大幅な時短につながりますのでおすすめできます。
なかなか減るものではありませんので、ひとつ持っていると何かと便利です。
【まとめ】砥石の面直し方法は?
砥石は使うたびに削れて歪んでいきます。そこれ、面直し砥石を使って歪みを修正していくことになります。基本的な方法としては、「①砥石に線を引く→②砥石と修正砥石を水に浸けておく→③砥石に少量の金剛砂をふる→④修正砥石をあてて線が消えるまで研削する」といった工程になります。料理とは関係ない作業のように思われるかもしれませんが、大切な作業(準備)のひとつと言えます。