ゆで卵の穴あけの効果は? 画鋲や針で穴をあける理由について

ゆで卵の穴あけの効果は?

ゆで卵は、鈍端に穴をあけてから茹でることがあります。

これにはいくつかの理由があり、一般的には「割れにくくなる」「殻をむきやすくなる」などの効果を狙ってのことです。しかし、殻をむきやすくなる効果に関しては否定的な意見が多数を占めています。

このことからも、卵に穴をあけるのは「割れにくくする」ためとなります。

ゆで卵が割れにくくなる理由は?

ゆで卵が割れにくくなる理由は?

ゆで卵は、割れることがあります。

卵殻が割れてしまうと卵白や卵黄が飛び出てスカスカのゆで卵になってしまいますので、「水から茹で始める」「鍋底にさらし(もしくは布巾)を置く」「塩や酢を加えておく」などの対応策がとられます。

ゆで卵が割れる原因は、大きく3点です。

原因仕組み
温度差内外での伸縮率の違い
転がる卵殻は衝撃に弱い
二酸化炭素内圧が高まる

卵殻に穴をあけるのは、圧力を逃がすためです。

卵には二酸化炭素が含まれています。卵を殻ごと調理するゆで卵は、加熱されることにより二酸化炭素が気化して内圧が高まります。内圧が高くなると少しの衝撃でも卵殻が割れやすくなりますし、卵殻膜が張りつくことにより剥きにくくなります。

そのため、卵の鈍端に穴をあけます。

卵の鈍端には“気室”と呼ばれる空気の層があります。その部分に穴をあけておくと、気室の大きさ分の圧力を逃がすことができます。穴をあけた卵を茹で始めると、勢いよく気泡が出ていくことを確認できます。

ゆで卵には“少し古いくらいの卵を使った方が良い”といわれています。これは、新鮮な卵にほど二酸化炭素の含有量が多いためです。二酸化炭素含有量の多い卵には「割れやすい」「殻をむきにくい」などの問題が生じやすくなります。

ちなみに、新鮮な卵の卵白が濁っていることがあるのは二酸化炭素によるものです。

殻をむきやすくならない理由は?

殻をむきやすくならない理由は?

穴をあけても剥きやすくはなりません。

鈍端に穴をあけると、ゆで卵は少しだけ剥きやすくなります。しかし、穴をあけた効果はそれほど大きなものではなく、卵の鮮度や茹でた後に冷やすことほどの効果は望めません。そのため、穴をあけても剥きやすくはならないとされています。

以下は、マギーキッチンサイエンスからの引用です。

昔ながらの方法としては、殻の鈍端に針で穴をあけるというのがあるが、実際にはほとんど効果がないという実験結果が出ている。

ゆで卵の殻がむきにくくなるのは、卵白・卵殻膜・卵殻が内圧により張りつくためです。

そのため、ゆで卵の殻をむきやすくするためには「少し鮮度の落ちた卵を使うこと」と「茹で上がったら冷水にとって冷やすこと」がポイントになります。二酸化炭素による張り付きを弱め、卵殻膜を膨潤させて剥きやすくするということです。

穴をあけるのは、あくまでも割れにくくするためです。

MEMO
圧力鍋で加熱されたゆで卵は、殻がむきやすくなります。これは、卵内の圧力が上がっても(圧力鍋の内圧が高いために)外へ向かう力として働かないためです。そのため、卵白・卵殻膜・卵殻が張りつくことはなく殻をむきやすいゆで卵になります。

【まとめ】ゆで卵の穴あけの効果は?

ゆで卵に穴をあけるのは、加熱による内圧の上昇を和らげて卵殻を割れにくくするためです。殻をむきやすくするためと言われることもありますが、穴をあけても体感できるほどの効果は望めません。殻をむきやすくするためには「少し鮮度の落ちた卵を使うこと」と「冷水(氷水)で冷やすこと」がポイントになります。

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