小麦粉は、いくつかの種類に分類されます。
分類方法としては、タンパク質含有量や灰分(外皮や胚芽など)の割合によって分けられるのが一般的であり、前者は薄力粉や強力粉などの分類方法、後者は特等粉や2等粉などのような分類となります。
これらの違いによって、小麦粉は使い分けられることになります。
タンパク質含有量による種類とは?
日本国内の小麦粉は、大きく3~4種類に分類されています。
タンパク質含有量の少ない方から、薄力粉・中力粉(準強力粉)・強力粉となります。タンパク質含有量により分類されているのは、小麦タンパクの80%以上を占めるグルテニンとグリアジンの形成する“グルテン(粘弾性のある網目構造)”が料理に利用されているためです。
以下は、タンパク質含有量と湿麩(水を含んだグルテン)です。
種類 | タンパク質(%) | 湿麩(%) |
---|---|---|
強力粉 | 11~13 | 35 |
中力粉 | 10 | 25~35 |
薄力粉 | 8以下 | 25以下 |
これらは、小麦品種による違いです。
強力粉はタンパク質含有量の大きな硬質小麦(ガラス質小麦)を製粉したものであり、薄力粉はタンパク質含有量の小さな軟質小麦(紛質小麦)を製粉したもので。この違いから、強力粉はサラサラしていて、薄力粉はしっとりしています。
そのため、打ち粉(手粉)には強力粉や準強力粉が用いられます。
小麦粉の使い分け方法とは?
小麦粉は、種類により使い分けられます。
小麦粉はタンパク質含有量により分類されています。小麦粉には4種類のタンパク質(アルブミン・グロブリン・グリアジン・グルテニン)が含まれており、特に重要視されているのがグルテニンとグリアジンです。
グルテニンとグリアジンは、物理的な力(練る、こねる、引っ張るなど)によりグルテンを形成するためです。
種類 | 用途 |
---|---|
強力粉 | パンなど |
準強力粉 | パンや麺など |
中力粉 | 麺や菓子など |
薄力粉 | 菓子や料理など |
小麦粉料理には、グルテンが重要視されます。
たとえば、パン作りに強力粉が選ばれることが多いのはグルテンの粘弾性を利用してパンを膨らませるためですが、天ぷらに薄力粉が選ばれることが多いのはグルテンを形成させずに軽い食感にするためです。
グルテンの性質は、料理によっては善にも悪にもなります。
灰分含有量による種類とは?
小麦粉には、等級による分類もあります
小麦粉は、精製度により灰分が変わります。灰分とは、リン・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄などのことであり、小麦の外皮や胚芽などに豊富に含まれています。等級は、灰分含有量による分類です。
以下は、主な等級と用途になります。
等級 | 灰分含有量(%) | 用途 |
---|---|---|
特等粉 | 0.3~0.35 | パン、麺、菓子など |
1等粉 | 0.35~0.45 | パン、麺、菓子、パン粉など |
2等粉 | 0.45~0.65 | パン、パン粉など |
3等粉 | 0.7~1.0 | グルテンや澱粉など |
末粉 | 1.2~2.0 | 飼料など |
市販品の多くは2等粉までです。
小麦粉の等級は、品質による違いではありません。あくまでも灰分(外皮や胚芽など)の含有量により分類ですので、等級が上位のものほどミネラル分が少なく小麦粉本来の黄色みがかった色をしています。
ちなみに、タンパク質含有量の分類方法と合わせて“強力1等粉”などのように表記されます。
【まとめ】小麦粉の種類は?
小麦粉の種類には、大きく2種類の分類方法があります。それが、タンパク質含有量による分類方法と、灰分含有量による分類方法です。前者はタンパク質含有量の大きな方から強力粉・中力粉・薄力粉などのように分類され、後者は灰分含有量の低い方から特等粉・1等粉・2等粉・3等粉・末粉などのように分類されています。