栗の甘露煮の作り方を紹介します。
くちなしの実により色付けされた栗の甘露煮は、その華やかな見た目もありハレの日(祝い事)の料理に重宝します。また、甘露煮は砂糖の脱水効果を利用した保存食でもありますので、秋の味覚を長く楽しむためにも役立ちます。
作っておくと何かと重宝します。
栗の甘露煮の材料は?
栗の甘露煮の材料です。
ミョウバンを使う目的は「煮くずれを防ぐ(煮汁を濁らせない)」「あく抜きになる」などであり、なくても作れますがあれば仕上がりが良くなります。※アルミの害に関しては後記します。
くちなしの実は「着色」が目的です。
材料 | 分量 |
---|---|
栗 | 正味400g |
ミョウバン水 | 水4カップ ミョウバン小さじ1 |
くちなしの実 | 1個 |
水 | 2カップ |
砂糖 | 200g |
塩 | 少々(もしくは醤油小さじ1) |
ミョウバンは、煮くずれるのを防ぎます。
ミョウバンとは、アルミニウムと鉄が硫酸と結合してできた物質です。栗を0.5%ほどのミョウバン水に30分ほど浸けておくことで、ペクチン質がミョウバンのアルミニウムイオンや鉄イオンと結合して不溶性になるために煮くずれしにくくなります。
また、アルカリ性のあくと結合するためにあく抜きにもなります。
栗の甘露煮の作り方は?
栗の甘露煮の作り方です。
栗の甘露煮は、下処理した栗を「ミョウバン水に浸す→下茹でする→煮含ませる→味をしみ込ませる(落ち着かせる)」ことによって作られます。ミョウバン水に浸すのは必須ではありませんが、浸すことで仕上がりが良くなります。
小児のいる家庭ではミョウバンに浸す工程を省くこともあります。
栗の鬼皮と渋皮を剥きます。手順は「自立するように坐(下の部分)を切る→少し身と渋皮が残る程度に平らな面を剥く→座の方から上に向かって剥き上げる→くぼみに残った渋皮を取り除く→平らな面に残った渋皮を剥く」となります。※今回は頂き物の冷凍剥き栗ですので盛大に煮くずれます。
皮を剥いた栗は、30分ほどミョウバン水に浸けます。ミョウバン水の濃度は0.5%ほどが理想的ですので、4カップの水に小さじ1のミョウバンを溶かして使います。30分経ちましたら、よく水洗いをしてから栗が重ならない大きさの鍋に移します。
栗がかぶるくらいの水(分量外)と2~4等分に切ったくちなしの実を入れます。くちなしの実はペンチなどで割ってもOKです。沸いたら弱火にして細串が通るくらいまで(20分ほど)茹でます。そのまま冷まして(翌日までおいても大丈夫です)くちなしの色をしみ込ませます。
③に流水を当てて色素の溶け込んだ煮汁を流します。下茹でをした栗はくずれやすくなっていますので、優しく洗います。
水洗いした栗を重ならないように並べます。別の小鍋に水と砂糖を入れて弱火にかけます。砂糖が溶けたら栗の入った鍋に注ぎ入れて火にかけます。煮立ったら弱火にして10分ほど煮含めます。落し蓋(紙蓋など)を使うとムラなく煮含められます。仕上げに塩(もしくは醤油)を加えます。
休ませることで味がなじみます。煮沸殺菌した保存容器などに移してから冷蔵庫で保存します。長期保存する方法には“冷凍”か“瓶詰め”にします。瓶詰めにする場合には④の工程のすぐ後に瓶詰めと脱気をすることになります。
以上が栗の甘露煮の作り方です。
清潔な保存容器に移して冷蔵保存することにより2~3週間ほどは日持ちします。それ以上に日持ちをさせたい場合には、冷凍か瓶詰めにします。瓶詰めにして脱気をしておくことにより約1年間の常温保存が可能になります。
瓶詰めの脱気方法については、別記事にて紹介します。
【まとめ】栗の甘露煮の作り方は?
栗の甘露煮は「ミョウバン水に浸す→下茹でする→煮含ませる→味をしみ込ませる(落ち着かせる)」という工程で作られます。アルミ許容量の問題がありますので、小児(1-6歳)のいる家庭ではミョウバンを使わずに作ることをお勧めします。