納豆の臭いは、乳酸発酵のお漬物で和らぎます。
期限切れの納豆は、次第に臭いが増していきます。これは、発酵過程で作られるピラジン類、ジアセチル等(有機酸)、アンモニアなどが原因になっており、発酵が進むほどに“匂い”は“臭い”へと変化していきます。
納豆の臭気は、乳酸発酵させたお漬物により大幅に和らぎます。
期限切れの納豆が臭くなる仕組みは?
期限切れの納豆が臭くなる主な原因は、アンモニアです。
納豆は、蒸した大豆に納豆菌を植え付けた発酵食品です。大豆は納豆菌により分解され、うま味の素になるペプチドやアミノ酸が増えていきます。これによって、蒸大豆よりもうま味が強く消化吸収の良い食べ物になります。
しかし、大豆が分解される過程ではアンモニア態も増えます。
蒸大豆には(窒素化合物の)1%ほどのアンモニア態が含まれています。アンモニアは「ペプチドやアミノ酸が壊れてできるもの」ですので、発酵が進むほどにアンモニアに起因する“臭い”が増えていくことになります。
蒸大豆では1%ほどであったアンモニア態は、納豆になる頃には6%ほどに増えていくことが確認されています。
乳酸発酵させたお漬物で和らぐ理由は?
アンモニア臭は、酸によって和らぎます。
アンモニアは塩基性(アルカリ性)です。賞味期限切れの臭いの強くなってきた納豆に乳酸発酵させたお漬物を混ぜますと、塩基性であるアンモニアが中和されることにより「アンモニア臭が和らぐ」ことになります。
やり方は簡単です。
お漬物は乳酸発酵していることがポイントになりますので、少し酸っぱくなってきたくらいの白菜漬けやぬか漬け、キムチ漬けなどを刻んで混ぜ込むことで古くなった納豆は格段に食べやすくなります。
もちろん、お酢などを使っても同様の効果が得られます。
また、麹納豆にするのもおすすめです。
米麹には豊富な酵素が含まれています。麹に含まれる酵素は、古くなった納豆の臭い成分を分解します。乳酸発酵のお漬物を混ぜ込むほどの簡単さはありませんが、日持ちするようになることからもおすすめできます。
納豆が苦手な方であっても食べやすくなるはずです。
【まとめ】納豆の臭いを和らげるには?
納豆の嫌な臭いは、乳酸発酵させたお漬物によって和らげることができます。これは、納豆の嫌な臭いが塩基性であるアンモニアに起因しているためであり、乳酸発酵食品の酸により中和されることで古くなった納豆の嫌な臭いは和らぐことになります。