イカの塩辛の作り方を紹介します。
塩麹を使ってイカの塩辛を作ると、良くも悪くも「癖のない味」になります。これは、塩麹に含まれている酵素がイカの生臭さなどを分解するためであり、魚介類の生臭さが苦手な方でも食べやすい塩辛になります。
塩麹を抜いて作れば、普通の塩辛になります。
イカの塩辛の材料は?
イカの塩辛の材料です。
鮮度の良いイカ(皮の黒いイカ)を使うことがポイントです。多少鮮度が落ちていたとしても塩麹により生臭さは軽減されますが、鮮度の良いイカを使った方が圧倒的においしく作れます。
材料 | 分量 |
---|---|
イカの身とわた | 今回は1杯分 |
粗塩 | 材料の5% |
塩麹 | 材料の10% |
今回は塩分濃度5%前後になるように調味していきます。長期保存の場合には10%以上の塩分濃度が必要になりますので、今回のレシピであれば冷蔵庫保存の上で早め(2~4週間ほど)で食べきることをおすすめします。
長期保存をしたい場合には、粗塩を(最低でも)10%以上にしてください。
塩麹塩辛の作り方は?
塩麹塩辛の作り方です。
今回は水分量を減らして「ねっとりと濃厚な塩辛」にしていますが、乾かす行程を省いて作る「さっぱりとみずみずしい塩辛」も悪くないと思います。
また、(季節によっては)ゆずの皮を加えるのもありです。
捌いた(下処理した)イカの胴を開き、内部に残っている内蔵などを念入りにふき取ります。晒しを使うときれいにふき取れます。その際、高い確率で寄生虫(アニサキスやニベリニアなど)がいますので取り除きます。
わたには強め、身には軽めに塩をふってザルに広げて(ラップをせずに)冷蔵庫で半日から一日ほど寝かせます。これにより適度に水分が抜け、塩辛にした際にはねっとりと濃厚な味になります。
イカの身を食べやすいサイズに切ります。イカの繊維は横方向に強くありますので長手方向を横にすると食感が強くなり、長手方向を縦にすると柔らかい食感になります。今回は柔らかい食感になるように切り分けました。
わたを絞り出します。そのままでは舌触りが悪くなりますので「包丁でたたく」「裏ごしする」のいずれかの方法をとります。裏ごしをするとロスが大きくなりますので、少量で作る場合には包丁で念入りにたたくことをおすすめします。
イカの身とわたの重さを量り、それに応じた塩麹(材料の10%)と粗塩(材料の5%)も計量しておきます。計算上の塩分濃度は5.48%になります。多少、目標塩分濃度(塩分濃度5%)を超えることになりますが、切りの良い数字を選んでいます。
イカの身、わた、塩麹、粗塩を混ぜ合わせます。
すぐに食べると「イカのわた和え」となり、3~4日熟成させてから食べると「イカの塩辛」になります。これは、イカのわた(及び塩麹)に含まれている酵素によりイカの蛋白質や脂質の分解が進み、うま味やコクが増していくためです。
アニサキスが心配な場合は冷凍してください。アニサキスを死滅させるためには-20℃24時間ほど冷凍します。しかし、家庭用冷凍庫では-20℃までは下がりませんので、冷凍庫の奥の方に入れて3日間(72時間)以上はおいておきます。冷凍させても熟成の悪影響にはなりません。わたや塩麹に含まれている酵素(プロテアーゼやリパーゼなど)は冷凍では失活しませんので、冷凍する場合は工程⑥と⑦の間で行うと良いかと思います。
【まとめ】イカの塩麹塩辛の作り方は?
イカの塩辛に塩麹を混ぜると生臭さが激減します。これを良しとするかには好みが分かれますが、生臭さが苦手な方には心からおすすめできます。作り方は簡単で、一般的なイカの塩辛のレシピに塩麹を10%加えるだけです。