麹甘酒の作り方を紹介します。
麹甘酒には、材料比率による違いがあります。たとえば、薄めて飲むタイプの麹甘酒は“かた作り”、そのまま飲むタイプは“うす作り(軟作り)”、ご飯を加えずに作るタイプは“早作り”と呼ばれています。
今回紹介する麹甘酒は、調味料としても使える“かた作り“です。
麹甘酒の材料は?
麹甘酒(かた作り)の材料です。
麹甘酒と言えばそのまま飲めるタイプ(うす作り)をイメージされる方が多いかと思いますが、ここでは砂糖の代わりとしても使うことのできる“薄めて飲むタイプ(かた作り)”のレシピを紹介していきます。
分量に関しては、多少前後しても問題ありません。
材料 | 分量 |
---|---|
ご飯 | 1合(炊飯後330~345g) |
水 | 1合(180cc) |
乾燥麹 | 100g |
ヨーグルトメーカーを使って作ります。
麹甘酒を作るには55~60℃で保温する必要がありますので、ヨーグルトメーカーを使うと品質を安定させることができます。炊飯器で作る方法もありますが、温度管理や水分量の管理が難しくなりますので積極的にはおすすめしません。
ヨーグルトメーカーは色々と使えますので、1台あると何かと便利です。
麹甘酒の作り方は?
麹甘酒は、加温熟成させて作ります。
麹甘酒は米に含まれる澱粉を米麹の酵素(アミラーゼ)によって糖化させたものですので、もっとも酵素の働きが良くなる55~60℃の温度で熟成させます。熟成時間に関しては室温や器具による誤差はあるものの、およそ8~12時間で完成します。
3~4時間おきにかき混ぜるとムラなく仕上がります。
一合分のご飯を炊きます。一合は約150gです。150gの米を炊飯することにより約330~345gになります。同時に浄水器を通した水1合(180g)も準備しておきます。
乾燥麹をほぐしておきます。パッケージの上からほぐすことにより雑菌の侵入などを気にせずにすみます。
炊きあがったご飯に、浄水器を通した水とほぐした米麹を加えます。まずは水を加え、温度が60℃を下回ったことを確認してから米麹を混ぜ合わせることがポイントになります。温度が高すぎると米麹の酵素が失活してしまいますので注意してください。
ヨーグルトメーカーに移し、55~60℃で8~12時間ほど加温熟成させます。途中、3~4時間おきに混ぜ合わせることでムラなく仕上がります。十分なとろみと甘味が出れば完成ですが、使用するヨーグルトメーカーの個体差などもありますので、まずは55℃12時間ほどで様子を見てみることをおすすめします。
十分に熟成させたら、清潔な保存容器に移しかえます。麹甘酒の賞味期限は1週間ほどとなりますが、冷凍保存することにより半年ほどは保存しておけます。また、火入れをして酵素を失活させることにより保存期間を延ばすこともできますが、料理に対して酵素の働きを利用することはできなくなります。
ポイントは、温度管理です。
米麹の酵素(アミラーゼ)は55~60℃で活性化して60℃以上(65~70℃くらい)で急激な熱失活を受けることが確認されています。このことからも、まずは55℃に設定して試してみることをおすすめしています。
多くのヨーグルトメーカーは、一時的に設定温度以上になることがあります。
麹甘酒のQ&Aは?
- 甘酒として飲むには?
- 紹介したレシピで作ると“かた作り”の麹甘酒になります。かた作りの麹甘酒はいわば濃縮タイプの麹甘酒ですので、水などで割って飲むことになります。
- 砂糖の代用品として使うには?
- このままでも砂糖の代用品として使えます。麹甘酒の甘さは米に含まれる澱粉の種類と米麹の力価(酵素活性)に影響されますので、もち米を使うことと鮮度の高い米麹を使うことで驚くほどに甘くなります。
【まとめ】麹甘酒の作り方は?
麹甘酒は、ご飯、水、米麹を混ぜ合わせて作ります。米麹の酵素(この場合はアミラーゼ)を利用してご飯に含まれる澱粉を十分に糖化させることがポイントになりますので、ヨーグルトメーカーを使った加温熟成(55~60℃)によって品質の良い麹甘酒を作れます。