足しぬかのやり方を紹介します。
ぬか床には、足しぬかが必要です。足しぬかはぬか床の新陳代謝のようなものですので、足しぬかをしなければ「微生物への栄養が足りなくなる」「ぬか床の三相(気相、液相、固相)のバランスが崩れる」などの問題が生じます。
足しぬかをしなければ、ぬか床が腐ってしまうことになります。
足しぬかに必要なものは?
足しぬかには、米ぬかと食塩を用意します。
新鮮な米ぬかと粗塩であることがポイントであり、米ぬかに対して13~15%の粗塩を混ぜて使います。足しぬかの量に関しては決まった量があるわけではなく、「ゆるくなったぬか床を元に戻す」ように加えていきます。
ぬか床の水分量は、足しぬかによって調節するのが理想です。
材料 | 分量 |
---|---|
米ぬか | 適量 |
食塩(粗塩) | 米ぬかの13~15% |
風味付けの材料 | 適量 |
ぬか床は、徐々に増えていきます。
「使っているのだから減っていくのでは?」と思われるかもしれませんが、ぬか床が減っていくようでは足しぬかの頻度が少なすぎます。諸説ありますが、1年後に10~30%くらいは増えているのが理想的だと考えられています。
急激に増やすのではなく、ゆっくり増やしていくことがポイントになります。
足しぬかのやり方は?
足しぬかのやり方です。
足しぬかは、ぬか床に米ぬかと食塩を足すことです。足しぬかをすることによって「水分量が調節される」「微生物に栄養を届けられる」「三相(気相、液相、固相)のバランスを整えることができる」などのメリットが得られます。
基本的には、水分量を見ながら行うことになります。
米ぬかに粗塩を混ぜ合わせます。食塩量に幅を持たせているのは、ぬか床の状態や季節によって好ましい塩分量が変化するためです。基本的に、ぬか床は6%前後の塩分濃度にコントロールされます。しかし、微生物の活動量は塩分濃度に影響を受けますので、「寒い季節は塩分濃度を低くする」「暖かい季節は塩分濃度を高くする」のがセオリーとなります。そのため、足しぬかの食塩量は13~15%前後となります。
ぬか床に、米ぬかと食塩を合わせたものを混ぜ合わせていきます。決まった量があるわけではなく、「ゆるくなったぬか床を元の水分量に戻すようなイメージ」で足しぬかをしていきます。ぬか味噌を手に取り、握った時に指と指の間から水分がにじみ出るくらいに調節していきます。また、水分量を増やせば乳酸菌が増え、減らせば酵母菌が増えます。
足しぬか後の数日間は、ぬか床を休ませます。足しぬかをすると乳酸が薄まることによりぬか床内のpHが(多少)高くなります。酸性pHには“腐敗菌を抑制する役割”がありますので、ぬか床を休ませることにより乳酸菌を増やす必要があります。2~3日くらいは天地返しをせずに様子を見てください。
足しぬかは、過不足なく実施する必要があります。
足しぬかをやりすぎてしまえば“熟成不足のぬか床“になりますし、やらなすぎれば”元気のないぬか床“になります。ぬか床は、足しぬかによって「働き盛りの期間をキープしている」ようなイメージを持ってもらえれば良いかと思います。
手入れに慣れてくると、好みの状態をキープできるようになっていきます。
【まとめ】足しぬかのやり方は?
足しぬかは、米ぬかに対して13~15%の食塩を合わせたものを、ゆるくなったぬか床の水分量を元に戻すようなイメージで行われます。これによって、ぬか床は徐々に増えていく(1年後に10~30%ほど)のが理想的な状態です。