ブリッカは、クレマのできるマキネッタです。
ブリッカの抽出部には錘(おもり)がついており、一般的なマキネッタ(モカエキスプレス)よりも圧力がかかるようになっています。それにより、エスプレッソ風の泡ができるようになっています。
しかし、エスプレッソマシンのような圧力はかかりませんので、エスプレッソマシンと比べると“粗い泡”になります。
クレマのできる仕組みは?
ブリッカには、泡が立ちます。
これはブリッカの抽出部に錘(おもり)がついているためであり、錘による抽出圧力の上昇と抽出部の形状によりクレマができるようになっています。モカエキスプレス(一般的なマキネッタ)とは一線を画すものです。
そのため、ブリッカには極細挽きの粉を使います。
一般的なマキネッタに使うコーヒー粉なの粒度は“細挽き”になりますが、クレマを作るには“界面活性物質(複数の高分子群)”の存在が欠かせないものとなりますので、粒度を細かくして抽出効率を高くする必要があります。
また、焙煎から日の浅い豆を使うこともポイントの一つになります。
クレマ(泡)のメリットは?
コーヒーの泡には、気泡分離と呼ばれる効果があります。
気泡分離とは、泡(気泡)が一定成分を吸着する働きです。泡に吸着される成分は“雑味”や“えぐみ”であることが多く、泡のあるコーヒーには「口あたりが軽くなって飲みやすくなる」というメリットが得られます。
そのため、ブリッカで抽出されたコーヒーは口あたりが軽くなります。
エスプレッソマシンの代わりになる?
エスプレッソマシンの代わりにはなりません。
ブリッカでエスプレッソマシンのようなコーヒーを抽出することはできません。おいしいエスプレッソを抽出するためには“抽出圧力”や“抽出温度”が重要であり、ブリッカでそれらの条件を満たすことはできません。
以下は、主要な抽出変数の比較です。
抽出変数 | ブリッカ | エスプレッソマシン |
---|---|---|
抽出温度 | 100℃以上 | 90~95℃ |
抽出圧力 | 2気圧前後 | 9気圧前後 |
マキネッタとエスプレッソマシンは、異なる抽出器具です。
ブリッカで抽出されたコーヒーには泡ができます。しかし、エスプレッソのクレマとは似て非なるものですので、エスプレッソマシンの代用品として使うには無理があります。
【まとめ】マキネッタでクレマができる?
ビアレッティのブリッカは、クレマのできるマキネッタです。しかし、エスプレッソマシンよりも抽出温度が高く抽出圧力が低いために、エスプレッソマシンの代わりにはなりません。また、ブリッカにできるクレマは“泡立てられたような気泡”となりますので、あくまでも“エスプレッソ風のモカコーヒー“と考えるのが良いかと思います。